しずおか整形外科病院

治療・施術について

About Treatments and Procedures

再生医療

PRP療法(多血小板血漿注射)

  • 痛みの軽減
  • 軟骨・靭帯・腱の治癒・修復を促進
  • 関節可動域の向上、動作のしやすさ改善
  • 自身の血液由来のため、拒絶反応や感染リスクが低い

PRP療法(多血小板血漿注射)は、ご自身の血液を採取し、遠心分離で血小板を多く含む血漿(PRP)を作製して、痛みの原因部位(関節内・腱付着部など)へ注射する治療です。血小板には組織修復に関わる成分(成長因子など)が含まれるため、炎症や微小損傷が続く部位で治癒環境を整え、痛みの軽減や機能改善を目指すことが期待されます。手術ではなく外来で行える点が利点ですが、効果の出方には個人差があり、適応の見極めが重要です。

 

代表的な症状

①運動時や動作開始時の痛み
②慢性的な関節痛(腫れ・違和感を伴うことも)
③腱・靭帯付着部の痛み(繰り返し負荷で悪化)
④リハビリをしても痛みが残りやすい

などです。整形外科領域では、変形性関節症(例:膝)の痛み、腱障害(例:肘・アキレス腱・膝蓋腱など)に対して検討されることが多い治療です。

 

どんな疾患か

PRPは「すり減った軟骨を元通りに再生させる」治療というより、炎症や負担が続く組織の回復を後押しし、痛みを和らげる位置づけです。主に、初期〜中等度の変形性関節症、慢性の腱炎・腱障害、軽度の靭帯付着部損傷などで、保存療法だけでは改善が不十分な場合に選択肢となります。一方で、変形が高度に進行している関節症、明らかな機械的障害(ロッキングなど)や大きな断裂・不安定性が主体の病態では、PRP単独では十分な効果が得にくく、他治療(手術を含む)が優先されることがあります。

 

診断

①問診(痛みの部位・動作との関連・経過、過去治療)
②診察(圧痛、腫れ、可動域、機能評価)
③画像検査

を組み合わせて行います。関節ではX線で変形の程度、必要によりMRIで軟骨・半月板・靭帯などの合併損傷を確認します。腱付着部では超音波やMRIで炎症・変性の評価を行うことがあります。PRPを検討する根拠は、保存療法(薬・注射・理学療法)で改善が乏しい一方、病態としては“回復を促す余地”があると判断される点です。

 

治療法

PRP療法は、

①採血(通常は腕から)→②遠心分離でPRP作製→③患部へ注射

という流れで行います。注射後は一時的に痛みや熱感が強まることがあり、数日〜1週間程度は運動負荷を調整します。効果は徐々に現れることが多く、リハビリ(筋力・柔軟性・動作改善)と併用することで再発予防につながります。治療回数は病態や方法により異なり、複数回の注射を提案することもあります。

PRPは、注射部位の正確性が重要なため、関節内や腱付着部では超音波ガイド下で行う場合があります。合併症は比較的少ない一方、注射後の痛み増悪、腫れ、皮下出血、感染(まれ)などは起こり得ます。また、自己血を用いるためアレルギーのリスクは低いとされますが、抗凝固薬内服中や感染症、重い血液疾患などでは適応に注意が必要です。

※PRP療法は公的医療保険が適応されません。費用は全額自己負担となります。